訪問鍼灸マッサージアイリス治療院の葛目です。
急に暖かくなって、一気に桜が咲きはじめましたね。
この季節になると、思い出す話があります。
とあるエッセイで、筆者がきれいな薄紅色の染物が店頭に置かれているのを見て、これは何で染めたんですか、と尋ねたときに、これは桜で染めました、と言われたそうです。
それで、桜の花びらで染めたらこんなきれいな色になるんですね、と感心したら、いえ、これは花ではなく幹から出た色です、桜の花が咲く少し前、幹の皮を煮詰めて出た色です、と説明され、感動したという話です。
人は花になってきれいに咲き、散って行く桜を愛でるのですが、桜はその花を咲かせるために、人に見えない場所で美しい色を蓄え、それを花と咲かせようとしている。
チャップリンのライムライトという映画にこういうセリフがあります。
「花はどうして美しいか。それは、美しく咲きたいという欲望があるからだ。」
Desireという単語を字幕では欲望と訳していますが、他に、願い、望み、こうありたいという希望、という意味もあります。
花を咲かせ、その種を保存しようとする桜の、そのために人知れず力を蓄える姿は、ひとつの目標に向かって努力する人に通じるものがあると思います。
強い思いを持ってひとつのことに打ち込む。
桜には名声欲などはなく、他から評価を受けたいがためではなく、ただ自分自身の願う未来のために力を注ぐ。
私もそういう純粋な気持ちを持って、仕事に取り組みたいです。